428.京都新聞 2023年7月20日
   
京都・中京の笋町(たかんなちょう)は孟宗山の題材に由来
         京都地名研究会 地名ものがたり・「祇園祭」編

2023年7月20日 0:00 

 烏丸通錦小路下ルの両側町が巡行させる孟宗山(もうそうやま)の題材は、中国の史話の二十四孝です。呉の孟宗は、病身の母が冬に筍(たけのこ)を所望したので、雪の竹林に入って祈るとたちまち筍が生じた話です。孟宗の人形は定朝(じょうちょう)系の七条大仏師康朝の作で、唐人衣装に蓑笠(みのかさ)をつけ、右手に雪をかぶった筍、左手に鍬(くわ)をかついでいます。笋町(京都市中京区)の町名は山の題材の筍(笋)にちなんでいます。この町には両替商や酒屋(兼金融業)など富裕な町衆が住んでいました。
 京滋の地名にまつわる由来や物語などの「ひと言ばなし」を「京都地名研究会」のメンバーがわかりやすく紹介します。今週のテーマは、「祇園祭」です。