875.毎日新聞 2025年05月01日
   神社の裏山に「恵み」あり 神饌タケノコ、今季は豊作 奈良・宇陀

5/1(木) 12:43配信 

スコップを手に次々とタケノコを掘り出す神饌タケノコ収穫会の参加者
=宇陀市大宇陀春日で、望月靖祥撮影(毎日新聞)
 奈良県宇陀市大宇陀の宇陀松山地区の竹林で、地元特産の「神饌(しんせん)タケノコ」の今季の収穫が始まった。関係者を招いて収穫会が開かれ、参加者はスコップを手にタケノコ掘りに汗を流した。

 神饌タケノコを販売しているのは、地元の守り神・春日神社(大宇陀春日)の氏子らでつくる「宇陀松山春日神社協力会」(春田正美会長)。高齢化が進んで氏子が減り、神社の運営に支障が生じてきたため、金銭面で神社を支えようと、神社の裏山で採れたタケノコのブランド化を企画。2019年に取り組みを始めた。

 収穫されたタケノコは神前に奉納された後にアク抜きされ、その日のうちに真空パックされる。味のよさと手軽に料理できる便利さが人気を呼び、今では市のふるさと納税の返礼品に採用されるなど、市を代表するブランドに成長した。

 今季の初日となった4月25日には協力会メンバーや市職員、協力企業の職員ら計7人が参加。約1時間でコンテナ2杯分のタケノコを収穫した。作業前には金剛一智市長も駆けつけ、「ありがたくておいしいと、ふるさと納税の返礼品として大好評だ」と参加者を激励した。

 協力会によると、今季は豊作で、例年の倍に当たる200キロの収穫を見込んでいるという。協力会メンバーの清水誠さん(59)は「タケノコを通じ、この地域が元気な町であることを広く知ってほしい」と話していた。【望月靖祥】
最終更新:5/1(木) 12:43 毎日新聞