916.奄美新聞 2025年06月17日
    鹿児島県議会一般質問 奄美は奄美市など7団体 職員採用で予定者数確保できず

6/17(火) 11:40配信 
 鹿児島県議会6月定例会は16日、引き続き一般質問(最終)があり、小川美沙子議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、柴立鉄平議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、平良行雄議員=共産党、鹿児島市・鹿児島郡区=、大久保博文議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=が登壇した。地方自治体における行政サービスに関し職員採用にあって採用予定数を確保できなかった県内市町村は43団体のうち31団体に及ぶことが報告された。

 柴立議員の質問に対する虫明徹・総務部長の答弁によると、県内の市町村における一般行政職の世代構成割合(2024年4月1日時点)は20歳未満0・7%、20歳代18・3%、30歳代23・9%、40歳代26・5%、50歳代27・7%、60歳以上2・9%。40~50歳代の占める割合が5割以上となっている。24年度の職員採用で予定数を確保できなかった団体のうち奄美は7団体で、市町村別は奄美市、宇検村、喜界町、伊仙町、和泊町、知名町、与論町となった。

 同市総務課によると、24年度の一般事務は17人の採用を予定したところ採用者数は14人で3人下回った。ただし110人の応募(申し込み)、98人の受験者数がおり、3次にわたる試験の結果の採用者数となった。

 ふるさと納税に関する質問では輸送コストの上昇による送料への影響が取り上げられた。国は過度な返礼品競争を防ぐため、返礼品の送料を含めふるさと納税の募集に要する経費を寄付総額の5割以下とするなど一定の基準を定めている。虫明部長は「県内の一部市町村から地方は都市部に比べ送料の負担が大きく、国の基準を守るため寄付金額をより高く設定するなど対応に苦慮しているといった声も聞かれる」とする一方、返礼品にかかる送料は輸送距離のほか、取り扱う返礼品の大きさや重さ、輸送方法によっても異なることを説明。鹿児島県の返礼品にかかる送料の割合は平均で8・5%(全国平均は7・2%)だが、市町村別にみた場合、焼酎などの比較的重量がある返礼品が多い伊佐市が12・1%と最も高く、主な返礼品が市内施設の宿泊券となっている霧島市が2・5%と最も低い。虫明部長は「内容により大きく異なる」と述べた。

 日頃から植栽、伐採、竹林整備などの森林整備を始め子どもたちを対象とした森林体験学習や自然観察会など森林を守り育てるため多様な活動をしている森林ボランティアの支援について塩田康一知事が答弁。知事は「県民参加の森づくりにつなげ、その輪を広げていく重要な役割を担っている」と述べた上で、県に登録している森林ボランティア団体は現在32団体で、そのうちの18団体を含む22団体が県森林ボランティア連絡協議会に加盟し相互連携しながら情報共有を図っていると説明。個人登録者は総体的に高齢者の割合が高く、次の世代を担う若年層の確保育成が課題となっている。県では大学・短大等を対象に学生の登録活動をしているが、知事は「今年度から新たに間伐、植樹体験活動といったイベント情報発信や参加申し込み手続きでSNSを活用し、若年層のさらなる確保に努めている」と述べた。

最終更新:6/17(火) 11:40 奄美新聞