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72 竹林日記   「アンガルンの製作進捗状況」 

 2014.08.12(火) 稲岡利春

 

竹林日記  「アンガルンの製作進捗状況」  2014・08・12(火) 小雨

 参加者:稲岡
 訪問者:タイ音楽家 福田氏


 福田氏より、「音波や振動数、音の仕組みなどわかるところだけひろい読みしているのですが色々疑問が出ています。」と言う事で、もう一度説明を聞きたいとご要望がありましたので、こらさのミーティングスペースでお会いしました。

 マリンバの鍵盤の節(支持点)が長さの22.4%らしいのですが、それと今回のアンガルンの低いC音と長さが関係付けられないか、というのが質問の趣旨だったようです。
 私見ですが、マリンバの共鳴パイプ部分がアンガルンの筒部であるのは正しそうですが、マリンバの鍵盤に相当するのは、アンガルンの場合は筒部と半割り部を加えた全体の固有振動数と考えています。鍵盤のように両端から100~150mm程度の所に節がありますが、均一な密度と断面形状でないので、簡単に半割り部の長さは決まらないはずです。それで半割り部の長さを長めからスタートし、カットしながら狙い音(今回は低いC音)を得るという考え方を、再度説明しました。


 これからの進め方ですが、共鳴管である筒部の長さをもっと精度を上げて、半割り部をタイ製アンガルンより100mm程度長めの物を孟宗竹と真竹で製作して、お互いにチューニングすることにしました。
 ~共鳴筒部の長さは10mmも違うと半音もずれてしまいますので、内径に合わせて補正も厳密に再計算
  して300→313mm(-C)、150→154mm(C)、75→76mm(+C)に見直しします。
  また、本体筒部と半割り部に節が存在しますが、この距離が2/3波長くらいの気がします。実験を続
  けていけば、最適値が出るかも知れません。

 フレーム(枠)の製作途中の物をお見せしました。構想通りアンガルン本体の吊り位置の調整が出来るものです。下の写真では、うまく行きそうに見えませんか?
 フレームと本体の打音を確認しましたが、なかなか良いです(自己満足?)。チューニングした本体を取り付けるのが楽しみになって来ました。


 福田氏には、竹の活用という事ですので個人的な趣味でお手伝いさせて頂いていますが、竹あそびの準備にかかる9月中旬以降は長い時間が取れませんので、ご了承下さい。


                   稲岡利春


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【アンガルンの製作風景】 ~Inaoka

 枠と吊り下げ棒と調整ピースを製作中です。吊り下げは未です。

・調整ピース製作です。
 穴あけをしています。
・穴あけ後、板取り(カット)です。
・カットした状態の調整ピースです。


・支柱の丸棒に差し込んだ状態です。

・下枠に穴あけ中です。
・貫通穴をヤスリで調整しています。
・打音穴を拡大しています。

・フレームの仮組状態です。
・チューニングの済んだ発音部の本体待ちです。



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