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42 竹林日記   「芯止め始まる/終わる」 

 2015/05/20 山本 律

 

竹林日記  「芯止め始まる/終わる」  2015/05/20(水) 晴

 参加者:稲岡、稲岡(喜)、梶原、窪田、小林、竹内、錦織、野本、山本。 [9名]



 新聞の天気予報で 水曜は晴れそうだ、と思っていたら、期待通りの青空になった。だが、湿度が高いのか、もうひとつ爽やかさがない。作業小屋で小林さんに「爽やかな天気ですね」と言うと、「体を動かしたら汗をかきますよ」という返事だった。小林さんの言うとおり、仕事をすると汗がにじみ出て頬を流れる。

 今年 親竹になった竹の芯止めが始った。竹にロープをかけて揺すっても、竿の先端がUの字に曲がるほど撓んでも折れない。手で小刻みに揺すったほうが折れるのではないかと思ったが、手も出さずに口で言うだけではわるいので、うずうずしながら見ていた。

 それに併行して 竹林のいたるところに散らばっている竹皮が集められている。集めた竹皮を運んでくるし燃やしてなと言って焼却場に運ばれてきた竹皮を焼却窯で燃やすのだが、竹皮というのはこれほど燃えにくいものなのか、と思うほど燃えにくい。拾い集めてすぐだから水分をたくさん含んでいることはあるにしても、助燃材にした枯竹が燃え尽きても、竹皮は燃えきらずに残っている。

 竹というのは厄介な、といってはわるい、手間のかかる植物である。これでは放置竹林が次々とできるのはやむをえないと、あらためて思う。



 休憩時間に、稲岡喜美子さんが枇杷の葉を枝からちぎりとっている。何に使うのかと聞いてみると、これを乾燥させて煎じた湯は、お茶のようにして飲めるという。
 枇杷の葉を煎じた湯が飲めるとは知らなかった。喜美子さんはよくご存知だと驚いた。

しかし考えてみると、いま私たちが何とも思わず、食べたり飲んだりしているものすべてが、いつごろからこれは食べられるものだと知ったのか。ひょっとしたら、何百年、何千年の昔から、食べたり飲んだりして、ときには命を落したりする経験をいくつも積み重ねた結果ではないか。

 いまでも、きのこがそうである。木の根や落ち葉に埋もれるようにして生えているきのこはたくさんある。マツタケやシイタケばかりがきのこではない。食べたら命にかかわるもののほうが多いのではないかと思う。我々の先祖が命がけで経験した結果を、いま私たちが享受しているのである。

 いま街で売っている芹(せり)は畑で栽培された野菜だが、私が子供のころは、田んぼや畠のあぜに生えいる背の低い雑草だった。でも、そのころの芹は独特の香りがあって、私はあの香りが好きだったが、くさいからきらいや、という友達のほうが多かった。

 動物はすべて動植物を食べて生きている。人間も動物である。そしてそれを文化として受け継いでいる。


                   山 本 律


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【本日の竹林風景】 ~Inaoka

 今日も芯止め作業をしました。上向き作業も少し慣れてきましたが、手の振動では手に負えず?、ロープを使って揺すりますが斜面は足場も悪く、身体は1時間も持ちません。太いものは撓みにくいので細かく揺することが出来ません。それでも野本さん、梶原さん、竹内さん達と全て完了しました。といってもチェックをするたびに、芯止めの洩れた親竹が何本か見つかります。「これで完了や!」を4回くらいいったでしょうか・・・。

 食するタケノコはまったく出なくなりました。黒皮と落ち葉を片付けて、お礼肥えの準備にも入っています。


 来月3日(水)は竹林整備の体験希望者(女性)が来られますので、こらさ竹林で真竹の群生域に侵入した孟宗竹の伐採、枝払い、搬出等を行う予定です。


・枝の出た芯止めが済んだ親竹です
・芯止めで親竹の先端部の山が出来ています


・ウグイスの鳴き声のする凛とした竹林(太陽の丘)です。
 写真をクリックすると聞こえます(30秒)

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