317.京都新聞 2022年5月3日 洛西版
 
 京都・向日の散策路「竹の径」 美しい竹林と前方後円墳の景色楽しんで

2022年5月3日  

竹の径沿いにある寺戸大塚古墳。ボランティアらが竹の間引きなどをして景観を保っている(京都府向日市物集女町)

 にょきにょき生えるタケノコの向こうに、こんもりと盛り上がる丘。向日丘陵を巡る長さ1・8キロの散策路「竹の径(みち)」では、美しい竹林の景観とともに、4世紀前半の前方後円墳「寺戸大塚古墳」(京都府向日市物集女町芝山)が楽しめる。

 国の史跡に指定されている同古墳は、全長98メートル、後円部の直径54メートル、高さ9メートル。乙訓地域に現存する古墳で2番目の大きさを誇る。二つの埋葬用の竪穴式石槨(せっかく)や、三角縁神獣鏡、鉄製品が多数見つかっている。

 向日丘陵は良質なタケノコが採れることで知られ、古墳前方部の一部では市が土地を購入する3年前までタケノコ栽培が行われていた。そのため、「土入れ」で大きく削り取られている。

 現在は、市民約40人からなる竹林ボランティアや市職員が、古墳と竹林の保全のために竹の間引きや下草刈りをしている。