393.AGARA 紀伊民放 2023年2月22日 LINE NEWS
   竹の根元でにっこり「福禄寿」 龍神の古久保さん制作

2023年2月22日 16:36 


 和歌山県田辺市龍神村丹生ノ川の古久保繁一さん(80)が、竹の根元を使って七福神の一つ「福禄寿」の飾り物を制作した。根をひげに見立てて、にっこりとほほ笑む優しい表情に仕上げている。近隣や遠方からも見に来る人がいるほど好評で、縁起が良いと顔を触っていく人もいるという。

 古久保さんは、奈良との県境近くにある加庄口という集落に夫婦で暮らしている。ものづくりが趣味で、土木関係の仕事をしていた経験から自作で家を建てたこともある。冬は外出が難しいほど雪が積もることがあり、1月下旬の寒波の際に、退屈しのぎに「福禄寿」を作ろうと思い立ったという。

 直径15センチ以上ある竹を2日がかりで引き抜いた後、根に絡んだ石などを取り除き縦に半分に割ってから作業を始めた。顔の表情はのみだけを使って彫刻し、毎日少しずつ作業を進めて5日ほどで完成させた。

 古久保さんは「割れて欠けることがあるため細心の注意を払い、時間がたつのを忘れるほど集中して彫り進めた。にっこりと笑う表情は見ていて気持ちが良く、自然とこちらも笑えてくる。今度はまだ根が伸びていない時期の竹を使ってもう一回彫ってみたい」と話した。
 作った「福禄寿」は、柿渋を使って防虫と防腐を施す予定という。

powered byLINE NEWS