458.YAHOO!News 2023年11月16日
   「竹害」と呼ばれた竹に命をともす
    人々の心を和ませ笑顔に変える「竹あかり」

11/16(木) 16:01配信  

  

 竹あかり

 竹あかり作家・川渕皓平さん

 淡い光に包まれるイベント会場

 かわいい顔が彫られた川渕さんの作品

 巨大なキャンバスを使った作品
中京テレビNews
 古くから日本では竹を日用品や建築資材などに利用してきた。日本人にとっては非常に馴染み深い植物なのだが、近年、その竹が各地で問題になっているという。一体何が起きているのだろうか。

放置された竹林が住居や森林を侵食 全国的に広がる深刻な「竹害」

 かつて日本有数の番傘の名産地だった三重県伊賀市。その名残から今も良質な竹林が多く残っているのだが、「竹害」と呼ばれる問題が住民たちを悩ませていた。

 竹は成長スピードが非常に早く、根を浅く広範囲に張り巡らせる性質がある。そのため、こまめに手入れをする必要があるのだが、管理者がいなくなり放置されている竹林が増えているそうだ。そうなると竹はあっという間に成長し、木々の間を縫うように生えて森林を侵食したり、家屋の下に根が入り込んで床下から竹が生えてきたりと、さまざまな問題を引き起こす。これが「竹害」と呼ばれ、伊賀市だけでなく全国的にも問題になっているという。

放置された竹に命がともる 見る人の心を和ませる「竹あかり」

 伊賀市を拠点に活動する竹あかり作家・川渕皓平さんは、管理が難しくなった竹を伐採して、竹あかりへと生まれ変わらせている。竹に穴を開けて幾何学模様を作り、中に光をともすと幻想的な雰囲気を醸し出す。竹の内側が白いので光がきれいに反射して、柔らかな明かりを生み出すという。川渕さんは17年前に竹あかり作家として活動を始め、数々の作品を生み出しながら日本中へ届けてきた。

 そんな竹あかりを使ったイベントが三重県・津市で開催。会場にはおよそ100本の竹を伐採して作られた竹あかりが展示された。

 川渕さんの作品は新しい地球をイメージしたもの。長さ4メートルの竹を中心に顔が彫られており、「一人一人が輝くものを持っている」というメッセージが込められている。他にも、縦2メートル×横4メートルの巨大なキャンバスに竹をつなぎ合わせた作品や、美しく緻密にデザインを施された作品など、様々な竹あかりが会場を照らす。訪れた人たちは淡く輝く光に包まれながら、癒しのひとときを堪能していた。

竹あかり作家・川渕皓平さん:
 「竹あかりって日本ならではのものだと思うんですけど、これを世界中のまだ竹あかりを見たことない地域に届けて、『竹あかりすごい、こんなのあるんだ』って笑顔を届けたいなって思ってます」

川渕さんの手によって「竹害」と呼ばれた竹に命をともした結果、人々の心を和ませ笑顔に変えた。川渕さんの活動を通して、多くの人が竹害について知るきっかけとなれば、解決の糸口が見つかるかもしれない。
最終更新:11/16(木) 18:46
中京テレビNEWS