509.京都新聞 2024年2月5日 洛西版
   京都府綾部市でタケノコで豊凶占う「筍祭」 地元の「七不思議」の一つ

2024年2月5日 17:15 

刈り取られたタケノコから今年の豊凶に思いを
巡らす参拝者(綾部市篠田町・篠田神社)
 タケノコの生育状況で農作物の豊凶を占う神事「筍(たけのこ)祭」が4日、京都府綾部市篠田町の篠田神社で営まれた。禰宜(ねぎ)が刈り取ったタケノコを神前に供えると、参拝者が一年を占って熱心に見入っていた。

 筍祭は室町時代に原型ができたとされ、同市志賀郷地区に伝わる「志賀の七不思議」の一つ。

 2人の禰冝が未明に境内の「お宝田」と呼ばれる竹やぶに入ってタケノコを探し、見つけた順に早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)の札を付けて回った。午前10時半からの神事で鎌を使って3本のタケノコを刈り神前に供え、五穀豊穣(ほうじょう)や地域の安寧を願った。

 タケノコの成長具合に農作物の豊凶や風水害が反映されるとされ、参拝者は判断基準が書かれた立て札を参考に、それぞれ思いを巡らせた。筆頭総代の相根一雄さん(76)=同市篠田町=は「竹やぶの低い位置にタケノコが生えていたので、干害が心配だ。昨年は台風7号による土砂災害に遭った。今年は被害がないことを願いたい」と話していた。
京都新聞