561.テレビ新広島 2024年4月12日
   タケノコに異変! 例年の3割の収穫量
    昨秋の雨不足とイノシシ・シカ…害獣被害が深刻 広島・竹原市

4/12(金) 19:00配信  

広島ニュースTSS
春の味覚「たけのこ」。出荷の最盛期を迎える時期ですが、ある異変も起きています。

【小吹筍生産組合・佐渡 元来 組合長】
「気を付けてください。ここは…イノシシの電柵、いまは昼だから電気は来ないですが…」

【野川フィールドキャスター】
「朝晩は(電気)流している。結構、最近は、獣害が多いですか」
【佐渡 元来 組合長】
「そうですね、多いですね」

竹原市小梨町小吹地区の竹林…。

【佐渡 元来 組合長】「あ!…」

地面から“ニョキ”っと頭を出していたのは「たけのこ」です。

【佐渡 元来 組合長】
「やってみてください」
【野川キャスター】
「タケノコ堀りの経験がないもので…」

【佐渡 元来 組合長】
「このくらいの大きさがおいしいですよ。小さくて柔らかいから絶対これくらいがおいしい」

【野川キャスター】「ほっ…」
【佐渡 元来 組合長】「だいぶ弱いですね」
【野川キャスター】「もっと強くいっていいんですか。よいしょ!」
【佐渡 元来 組合長】「あ、ダメだ…」
【野川キャスター】「あたり?」

今が“旬”で甘味が強く、“ブランド”として県内外から評価されている「小吹のたけのこ」。
およそ300年の歴史がありますが、今、ある“異変”に直面しているといいます。

【佐渡 元来 組合長】
「この頃は当たりはずれより、今年みたいに雨が少ない、なんぼ当たり年でも、水がなかったらダメでしょ…」

たけのこの生産ではたくさん生えた次の年が生えにくいため「裏年」と呼ばれます。
小吹のたけのこは去年が「裏年」だったため今年はたくさんのたけのこが期待されていましたが現時点、多いところで収穫量は“例年の3割”。
原因の一つに去年秋に雨が少なかったことがあげられ、今が最盛期になるはずが生えていない状況だといいます。

さらに、生産する上で苦労しているのが…。

【佐渡 元来 組合長】
「これは多分シカ(のふん)だと思う」
Q:ここ数年多い
「ここ数年は前よりは多いですね。あちこち見ます。シカが入ってくるのと、ウサギが多いですね。野ウサギです。葉っぱを食べますからね。タケノコが出ていたら頭だけ食べます」

また特に“厄介”だというのがイノシシ。
電気柵などの対策をしても慣れると柵を超えてくるのだといいます。

Q:楽しみにされている方がいると
【佐渡 元来 組合長】
「もう、おいしいのを届けたいという気持ちが本当に高くなる」

【佐渡 元来 組合長】
「何百年も伝統のたけのこですので、守っていかないといけないという責任感はすごくありますね」

<スタジオ>
【野川キャスター】
竹原市の生産量過去10年のグラフを見てみると 表年、裏年があるんですが、2019年ごろから生産量が低迷していることがわかります。
数字で見ても2018年 2万2681キログラム、これが表年で、この10年間で一番多かった年なんです。それが去年、2726キログラムということで…

Q:2万キログラムぐらい違うことですか?

【野川キャスター】
そういうことになるんですよね。背景には高齢化による担い手不足。あるい気候的な部分。そういったところの影響があると言われているんです。

さて、<タケノコ持参>
掘り起こしまして。こちらもはい。
ということで、私の手元にですね。大小二つのタケノコがございます。ずいぶんサイズが違うわけですけども、この「小吹のたけのこ」スーパーから高級料亭まで幅広い需要がございます。これ、小さいものと大きいもの、どちらが、市場価値が高いでしょうか?

実はですね、これ場所によって違う。東京の市場に出すと小さい方が市場価値高くなる。一方で、広島で出すと、こちらの大きい方が価格高くなる。

本当に料理人の個性であったりとか、あとニーズの違いであったり、価値観が違うっていうことなんですね。味の違いはありません。
最終更新:4/12(金) 19:50 テレビ新広島