606.日本農業新聞 2024年5月10日
培養土代わりに竹使える 花育て手応え放置竹林対策に
神戸学院大と大阪府立園芸高
5/10(金) 10:01配信
竹資材を使った花苗の生育試験をした大阪府立園芸高校の(右から)大串さん、出口鈴さん、福元晨正さん
(大阪府池田市で)(日本農業新聞)
伐採した竹を使って花の栽培を共同研究する神戸学院大学と大阪府立園芸高校が、花の品種ごとに、生育に適する竹の加工方法を突き止めた。試験の結果、培養土の最大5割を竹に置き換えても遜色なく花が育った。培養土から転換が進めばコストや作業負担の軽減ができ、放置竹林の新たな用途として期待が高まる。
両校では2021年度から竹資材を使った花栽培に取り組んでいる。同大学の菊川裕幸講師によると、花きでの竹利用は全国でも珍しい。これまでに菊やパンジー、ハボタンなど6品目で試験した。
試験では放置竹林から伐採した2、3年生のモウソウチクを使った。5ミリ以下に粉砕した竹チップや、竹チップを野積みにして3カ月置いた竹堆肥の他、竹炭、竹パウダーなどに加工。ホームセンターなどで買える市販の培養土を使い、竹資材を混ぜた試験区との生育を比較した。
結果、品種によって適した資材、配合が分かった。例えば、デイジーなら培養土の5割を竹チップに置き換えた試験区が、培養土だけを使った栽培と同程度の生育を維持した。その他にも、デイジーとクリサンセマムは培養土の5割を竹堆肥に、ハボタンやパンジーは培養土の1割を竹炭に置き換えた試験区でも生育が良かった。いずれも竹チップだけで育てた場合は枯れた。
同高校フラワーファクトリ科の大串颯介さん(18)は「竹は軽いので高齢の農家の負担軽減にも貢献できる」と話す。1ポット 当たりの重量を比較すると、培養土が176グラムだったのに対し、竹チップは約半分の95グラムだった。培養土と竹堆肥を混ぜても、培養土だけの試験区に比べて1ポット 当たり30グラム軽い。
両校は今後、観葉植物やラン、ハーブでも試験する予定だ。同高校の松川雅哉教諭は「水コケに植えるコチョウランなど、培養土を使わない花でも有効なら、資材を輸入せず国内の未利用資源に代替できる」と期待を寄せる。
竹林面積増加 整備が課題に
林野庁によると、全国の竹林面積は2022年3月末時点で17万5000ヘクタール。5年で8000ヘクタール以上増えた。担い手の減少などで管理が行き届かず、放置されている竹林も少なくない。竹が宅地や農地に侵入したり、鳥獣のすみかになったりして、放置竹林の整備が課題となっている。
菊川講師は「産業廃棄物となる培養土と違い、竹は燃えるごみで捨てられる。農業だけにとどまらず、家庭向けの鉢植えにも需要がある」と展望する。
日本農業新聞
5/10(金) 10:01配信 日本農業新聞