779.ラジトピ ラジオ関西トピックス 2025年02月26日
「竹の粉」でカブトムシの幼虫が育つ?
SDGsへ繋がる発見・研究重ねた高校生がアワード最優賞獲得
2/26(水) 6:55配信
最優秀賞を獲得した高校生の研究が地球を救う?
(画像提供:兵庫県立有馬高校)(ラジオ関西)
定期的に竹パウダーを交換している様子
兵庫県立有馬高
岡田さん、山西さん、二川さん
竹パウダーの中から偶然見つけたカブトムシの幼虫を成育したことで、県の教育委員会がSDGsの普及・啓発を目的として表彰している「ひょうごSDGsスクールアワード」の最優秀賞を兵庫県立有馬高校(兵庫県三田市)の生徒が受賞しました。
人と自然科・果樹と緑班に所属する3年生の二川翔大さんと担当教諭の入江敏子さんに、受賞までの詳しい経緯や実験結果などについて話を聞きました。
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兵庫県立有馬高校は生徒それぞれの進路や興味・関心に合わせて科目を選ぶことができる「総合学科」と、農業や植物に関する分野を深く学べる「人と自然科」の2学科があります。人と自然科では、2000年から放置竹林を整備する「ナチュラルキープ」という授業を実施したり県立有馬富士公園と連携した里山保全に取り組むなど、受賞前から積極的にSDGsに関する活動を行ってきました。
カブトムシの幼虫を発見したのは、2023年の秋。同校では伐採した竹をパウダーに加工し、集積所に貯蓄するそうですが、授業で竹パウダーを使おうとしたときに、中から幼虫を117匹見つけたのだとか。このとき二川さんは「何か面白いことができないだろうか」と考え、同じ科のカブトムシ好きである山西快弦さんと岡田一志さんと共に、今回のプロジェクトを始動させたそう。
幼虫を大きなケースに入れて校内に設置してある温室で環境を整えつつ、生徒たちは2つの点に注目しました。
1つ目は「成育する環境」。本来、幼虫は腐葉土の中に生息しているそうですが、二川さんらは“竹パウダーの中から発見された”というところに着目。成虫まで育てることができるのか、実験することにしました。
2つ目は「幼虫のフン」。普段の実習でも使用することがあるという動物のフン。今回は竹パウダーを食べた幼虫が排出するフンの成分分析を行い、植物の生育にどのような影響を与えるのか調査しました。
1つ目の実験の結果について、二川さんは「(竹パウダーの中でも)幼虫たちは問題なく育ち、無事に成虫になりました」と振り返ります。ちなみに、クヌギで育てた個体に比べ、竹パウダーで育った個体は約20ミリ小さかったそう。
「地域の幼稚園で『どちらがほしい?』というアンケートを取り、約40%の園児が『小さいほう(竹パウダーで飼育した個体)』と答えました。昨今、ペットも小型化が進行しているということが結果に影響したのかなと思っています」と入江先生。継続して成育し商業ベースまで数を確保することは難しいそうですが、今回の結果が地域全体での放置竹林問題の解決への糸口になってほしいと生徒たちは願っています。
フンに関する実験の結果について、二川さんによると「土を柔らかくする“土壌改良剤”や、培養土の代替資材としての利用も可能であることが分かりました」とのこと。
二川さんたちが日々積み重ねたこれらの取り組みが「ひょうごSDGsスクールアワード」にて最優秀賞を受賞したと、同校に一報が入ったのは2024年12月中旬のことでした。
「様々な実験を通して、楽しいことだけでなく大変なこともあって……。メンバーと衝突することもありましたが、取り組んできたことを評価してもらえて嬉しかったです」と当時の率直な思いを口にした二川さん。
今回の経験を通じて学んだ「データ収集の重要性」「仲間と協力することの大切さ」を、進学先でも活かしていきたいそうです。
最後に入江先生は、「今後も生徒と一緒に農業を軸とした環境・社会問題に、継続して向き合いたいです。これからも生徒たちには地域課題を解決していくことで成長していってもらえれば」とコメントし、インタビューをしめくくりました。
(取材・文=長塚花佳)
※ラジオ関西『Clip』水曜日 2025年2月26日放送回より
ラジオ関西
最終更新:2/26(水) 6:55 ラジトピ ラジオ関西トピックス