
道の駅で販売している「古座川めんま」
(和歌山県古座川町相瀬で) |
大津市にも沢山ある竹林・・・なかでも放置竹林の問題に取り組んでいる方がいます。
「柏木竹林農園」の柏木俊寛さん。瀬田で竹林整備と竹関連製品の開発・製造・販売をされています。今回は柏木さんの活動をくわしくご紹介していきたいと思います。
柏木竹林農園の活動について
柏木竹林農園は、竹林整備を通じて竹の有効活用を行う事業です。代表の柏木さんは、元々鉄道貨物会社(JR貨物)で働いていましたが、竹に関する活動を本格的に事業化するため、2年前に独立しました。
事業の始まり
国産メンマとの出会い
柏木さんは、テレビで「放置竹林から国産メンマを作る」という番組を見たことがきっかけで、竹の活用に興味を持ちました。
翌日、自身のアルバイト先に竹林があることを思い出し、すぐにメンマ作りを開始。最初は家庭で試作し、ビギナーズラックで成功しましたが、その後の本格的な生産には苦労がありました。
竹林整備と竹の活用
メンマの生産には竹が必要となるため、竹林整備を進めるうちに、切り倒した竹の処理が課題となりました。通常、竹は切った後に放置して土に還るのを待ちますが、それには10年ほどかかるため、新たな活用方法を模索しました。
竹の多様な活用
竹チップ・竹炭の生産 竹を有効活用するために、粉砕機をローンで購入し、竹チップの生産を開始。その後、竹炭にも挑戦し、竹の資源としての活用を広げました。
竹の物差し(定規)の製造
物差しは竹の強度を増すため「晒し(油抜き・天日干し)」の工程が必要です。さらに製品化できるのは傷のない竹のみで、歩留まり(実際に使える割合)が低いそうです。そのため、残った竹材を活用し、棚や別の製品作りにも挑戦されています。
現在、竹の物差しは月に約2,000本ほど生産されています。
柏木竹林農園の変遷
「近江の竹となかまたち」から「柏木竹林農園」へ
竹の活動は当初、「近江の竹となかまたち」という名前で、グループ的な形でスタートしました。
しかし、竹を本格的な事業として発展させるため、2年前に「柏木竹林農園」として独立した名称で活動を開始しました。
竹林は放置されると太陽の光が入らなくなって根が腐り、土砂崩れなどを起こして環境を悪化させるという問題が起きるので、竹林整備の活動はとても大切です。
柏木さんの竹林整備の活動は、ボランティアの協力も得ながら進めていますが、現在は物差し製造などの事業が忙しくなり、ボランティア活動を継続する時間の確保が課題となっています。
現在の展開
竹の有効活用を進める中で、現在は竹の物差しの製造がメイン事業となっています。
工場と連携しながら製品を供給しており、需要も増加中とのこと。
また、竹林整備から派生したメンマの生産も継続し、味付けメンマを販売するなどの活動をされています。国産のメンマは筋がなく肉厚で歯ごたえがありとても美味しいとのことで、マルシェなどに出店されたときも人気の商品だとか。
さらに、物差し製造で出る端材の活用方法を模索し、竹の棚や小物製品などの製造にも挑戦するなど、SDGsの観点からも竹を無駄なく活用する取り組みを進められています。
今後の展望
竹炭を有効活用
さまざまな取り組みをしている柏木竹林農園さんの活動ですが、今後の展望としては竹炭の可能性に注目されているとのこと。特に土壌改良剤として、「竹炭で滋賀の農業を変えたい」と意気込んでおられます。土壌改良材は竹チップと竹炭でできており、竹チップは糖分が多いことから微生物が寄ってきて、そこで竹炭が微生物の住処になるんだとか。
それを土に混ぜることで畑や田んぼの土がふかふかになって農作物の粘りが増し、根の量が2倍くらいになり、生育が良くなるそうです。
観葉植物やガーデニングなどの利用にも適していて、土の上に乗せるだけでも効果があり、見た目もオシャレになるなど、とてもオススメだとのことでした。
他にも消臭効果や水の浄化効果など、竹炭はさまざまな面で可能性に富んでいるので、今後、製品化をもっと進めていきたいと熱く語ってくださいました。
さらに、竹の活動を福祉と連携したいという想いも伺いました。竹林整備を通じて、障害者の方々が竹林に入ることで生き生きとしてくるということがあるのだそうです。
また瀬田のcafe & galleryspoonsさん前で毎週金曜日の夜、竹を使って焚き火をする催し「chikakei」を開催しておられます。一般の方ももちろん参加しますが、cafe
& galleryspoonsさんの横にある事業所の利用者さんも時に焚き火に参加します。焚き火を眺めることで精神に障害をもつ方の心が落ち着く効果も現れているそうです。
まとめ
今回の取材を通じて、竹の活用と福祉の連携、そして地域での新しい試みについて多くのヒントが得られました。特に、竹林整備を通じた社会貢献の可能性や、障害者の方々が関わることで生まれる新たな価値についての話は印象的でした。竹炭や竹チップといった竹の資源を無駄なく活用しながら、持続可能な方法で地域に根ざした事業を展開していく姿勢は、多くの人にとって共感を呼ぶものだと感じます。
また、福祉施設の利用者が夜に集まれる「居場所」を作る試みは、単なる竹の活用を超えた社会的な意義を持っています。「chikakei(地下茎)」という名前には、竹の根のように広がりながら、目に見えない部分でつながりを作るという想いが込められており、その発想はとても魅力的です。
さらに、竹製品の普及や販路拡大に向けた取り組みも進めておられます。くさつファーマーズマーケットや地域イベントへの参加を通じて、竹の価値を広める努力を続けておられる柏木さん。今後も柏木さんのこうした活動が広がり、竹を活用した循環型の取り組みがより多くの人々に認知され、地域社会に根付いていくことを期待します。
Sari エキスパート
地域情報発信クリエイター・エシカルコンシェルジュ(大津市)
幼少から滋賀県大津市で育ち、二人の子供も大津で育て、子育て終了と共にこれからは多くの人に大津の魅力を伝えようと活動中。エシカルをライフワークに、こちらでは大津のエシカルなお店や人も紹介します。滋賀のローカルメディアLOMOREグルメライターの顔ももちます。グルメのInstagramアカウントは @sari_heart77 こちらもよろしくお願いします!
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