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66 竹林日記   「いよいよ梅雨明け近し、か」 

 2014.07.19(土) 山本 律

 

竹林日記  「いよいよ梅雨明け近し、か」  2014・07・19(土) 晴(一時小雨)

 参加者:稲岡、梶原、小椋、世良田、竹内、塚崎、野本、山本。 [8名]



 朝のうちは風がなくて蒸暑かったが10時近くになるとどこからともなく風が流れてきた。竹の梢(竹は木ではないから「こずえ」とはいわないかもしれない)が揺れている。こんな爽やかな風はしばらく経験しなかった。
 コラサ竹林で作業をしていた梶原さんが戻ってきて言った 「今日は極楽のあまり風が流れてました」
 いかにも梅雨明け間近の感じである。

 前にも言ったかしれないが、京都の街中では障子を開け放った部屋を流れる風を「極楽のこぼれ風」という。吹くではなく文字どおり流れるような風をいう。台風や木枯しなら「吹く」かもしれないが、そんな風情のない風ではない。ただし最近のマンションはエアコンだからこの風情は味わえない。隙間風が入るような木造の家でないと。
 だが梅雨が明けるとこの爽やかさがなくなって、アジアモンスーン地帯にある日本は焼けつくように暑い日がやってくる。


 戦前の話だが、ドイツのベルリン大学に留学していた日本人がベルリン市民の日常生活を書いた「独逸の砂」という本に
「ベルリンでは部屋の窓を片方しか開けない。両方開けて風が通り抜けるのを、日本でいう賊風(すきまかぜ) のように嫌う」
 とあったのを覚えている。
 ベルリンぐらい北になると、夏でも風が冷たいのかもしれない。ヨーロッパのタクシーはクーラーがないから多分そうではないかと思う。そういえば日本でも長野県の小諸のタクシーは、以前はクーラーがなく窓を開けて走っていた。ただしいまもそうかどうかはわからない。おそらくつけていると思う。



 テーマをはっきり決めずに書きはじめたので最初から雑談めいたことを書いてしまった。ならばいっそのこと今回の竹林日記は雑談でとおすことにしよう。

 日本では組織の責任者、中でも政治家と称する人物が自分の意思を表明するとき、必ずといってよいほど
 「…したいと思います」
 と言う。
 我々はこの言い方に慣れてしまったのか、ほとんど気にせずに聞き流しているが、外国人にはかなり耳障りな言葉らしい。だから「したいと思うというが、いつ実行するのか」と問われることがあるという。
 一方、マスコミは相手のそうした疑問ないし反論をニュースとして取上げようとしない。以前、ある評論家がそれを問題にするのを見てはじめて気がついた。それ以来私は「したいと思います」が耳障りになった。

 自分の意見なり方針を問われて「時期を見て」だの「いずれそのうちに」は無責任であり不真面目である。


                   山 本 律


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【本日の竹林風景】 ~Inaoka

 山本さんのヨーロッパのタクシーはクーラーがないという日記を見て、若い頃設計した小型乗用車の欧州仕様には、クーラーの設定が無かったことを思い出しました。たしか、国内仕様のクーラーコンデンサーの搭載位置に、欧州の特別仕様のヘッドランプクリーナー(雪道走行で付着する泥を落とす水噴射装置)用の大型ウォッシャータンクを何とか搭載しました。地球温暖化が叫ばれだしたころから、フランスだったと思いますがアイスクリームが販売されるようになったとか聞かれるようになり、欧州仕様にもクーラーが装着されるようになりました。
 コンパクトな小型乗用車にクーラーと大型ウォッシャータンクの両方の搭載に苦労したことは言うまでもありません。


 脱線してしまいましたが、長法寺竹林のほうは、主に草刈り作業です。前回のこらさ竹林と較べるとどの作業エリアも日陰で、快適でした。

 11時30分からの理事会では、総会と総会後の理事会の議事録の確認と、夏休みを決めました。
   議事録の修正箇所は約2名の名前ミス(6箇所!)でした。修正後、サイン会となります。
   夏休みは8月2日(土)が最終登校日、8月23日(土)が夏休み明けの初登校日となります。

・長法寺竹林の休憩です
・コンサート跡地の草刈りです
・太陽の丘の草刈りです

・集荷場裏の手摺の整備です
・前回の竹林日記にあった椎茸栽培場の屋根です


【アンガルンの進捗状況②】~Inaoka

 福田氏の依頼でアンガルンの良い音が日本の竹でも出せないかを検討していますが、7月2日の進捗状況では発音部の本体筒部300mm(直径60mm)の製作ノウハウを報告しました。
 今回、このノウハウで本体筒部150mm(直径約45mm)と本体筒部75mm(直径約30mm)でオクターブ違いのC音を出せるかトライしました。

 結果300mm(φ60)のものはオリジナルの全長700mmに対し640mmと短めとなりましたが、150mm(φ45)のものはオリジナルの全長420mmに対し410mm、75mm(φ30)のものはオリジナルの全長240mmに対し255mmとなり、オリジナルに近いサイズで簡単にチューニング出来ました。

 作り方としては、間違えていないように思われますが、絶対音程の能力がないので、音程(C音)を福田氏に確認頂く必要があります。また、今回の孟宗竹の古竹(伐採後放置竹)の音色では不安です。乾燥真竹が入手出来ると良いのですが・・・。

 写真上の青竹は下枠製作検討用です。やはり竹で製作したいと思います。
 茶色の3本がオクターブ違いのC音の発音部の本体モデルです。一番小さい物もきれいな共鳴音が出ます。

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