466.信濃毎日新聞デジタル 2023年11月25日
   用途いろいろ 竹炭に広がる期待 土壌改良や水質浄化

  

11/25(土) 10:31配信
長野県喬木村で竹林整備へ講習会 炭化器の貸し出しも
炭化器に竹を入れる深沢さん(左)と参加者
 喬木村は23日、農地の土壌改良や水質浄化などの用途に使える竹炭作りの講習会を村内で開いた。竹の活用を広め、村内の放置竹林整備を後押しする狙いで初めて企画。村内の農業者や竹林所有者ら約10人が集まり、竹を燃やす炭化器の扱いや、燃やす際の注意点などを教わった。

 村は本年度、NPO法人「いなだに竹(ちく)Links」(飯田市)に、同村伊久間の天竜川沿いの放置竹林約3千平方メートルの整備を委託。講習会では、伐採後に現地で保管していた竹を活用した。

 竹Links代表理事の曽根原宗夫さん(59)と、竹炭の普及に取り組む温室効果ガス削減推進市民ネットワーク代表の深沢義則さん(50)=白馬村=の2人が指導。直径約1・5メートルのおわんのような形の炭化器2基に、短く切った竹を入れ、1時間以上燃やした。最後はふたをしたり、水をかけたりして火を消した。

 出来上がった竹炭は現場で保管し、講習会参加者が必要な分を持ち帰る。村内で果樹を栽培する多田龍平さん(64)は「竹は地域にたくさんあるので、土壌改良材として竹炭を使えるのはうれしい」と話した。

 村は村民から要望があれば、炭化器を貸し出す。講習会を企画した村生活環境課環境林務係の久保田晃央(あきひさ)さん(52)は「活用策の浸透で竹の需要が生まれ、地域で竹林整備の機運が高まるきっかけになれば」と期待している。

最終更新:11/25(土) 10:31
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