496.京都新聞 2024年1月12日 ハートフルニュース
   地元の竹でアクセサリー「サステナビリティの可能性示したい」
     京都府長岡京市の芸大生が卒業制作

2024年1月12日 11:00 芦田恭彦 

地元の竹で制作した指輪やブローチ
などを手にする桝田さん(長岡京市)

竹と真珠を組み合わせた個性
豊かな指輪(桝田さん提供)
 京都府長岡京市で生まれ育った芸大生が、地元の竹を使ったアクセサリーを卒業制作した。13日から京都市内の百貨店で開く学生有志のグループ展で披露する。「サステナビリティ(持続可能性)の視点で、竹の可能性を示したい」と目を輝かせる。

 京都芸術大4年の桝田菜月さん(22)。子どもの頃、地元の竹林で父親のタケノコ掘りを手伝い、母親の裁縫の仕事に刺激を受けたという。大学ではファッションデザインコースでジュエリー制作を学ぶ。「身近な竹で創作し、少しでも地域に役立てないか」との思いが強まり、卒業制作で具体化させた。

 長岡京市内の工房で、竹の種類や性質、加工法、需要が減る竹製品の現状について教わった。

 用いる竹材は、タケノコとして食べるが細かな工芸にあまり使われないモウソウチクをあえて選んだ。相性の良い宝石として、貝が生み出す真珠に注目した。傷やゆがみのために商品化されない真珠を宝飾メーカーに提供してもらった。

 自ら市内の竹林で間伐し、油抜きや乾燥処理などを施した。一本ずつ異なる曲がり具合を生かしたデザインを考案。指輪やピアス、ネックレス、ブローチを仕上げた。桝田さんは「山と海の天然素材を組み合わせた作品を通じ、新たな価値を感じてほしい」と強調する。

 作品は13~19日、藤井大丸(京都市下京区)4階で催すグループ展「up-to-date」に出展する。入場無料。
京都新聞