784.長崎新聞 2025年03月02日
   竹パウダー使ったキノコ栽培で特許
     諫早農業高、放置竹林対策研究に取り組む

 3/2(日) 11:30配信 

特許を取得した食品科学部の部員たち=諫早農業高(長崎新聞)
 長崎県立諫早農業高(諫早市立石町、前田達彦校長)の食品科学部が竹粉を使ったキノコの菌床栽培技術で特許を取得した。栄養源となる米ぬかに竹粉を70%加えた時に収量やうま味成分が増加することを発見。同校の特許はミカンの皮をシイタケ栽培に活用する研究で取得した2019年度に続き2回目。
 同校では、全国的に増加している放置竹林の対策の研究に7年前から取り組んでいる。同部の「菌床栽培ヒラタケの子実体成分との関係」研究では、菌床で一般的に栄養源として使われる米ぬかに、パウダー化した竹を添加。研究に3年かけ、70%の割合で加えた時に、2倍以上の収量が上がり、うま味成分のグアニル酸が100グラム中400ミリグラムから700ミリグラムに上がることを突き止めた。この研究は、本年度の第68回全国学芸サイエンスコンクール(旺文社主催)自然科学研究部門で銀賞に輝いた。
 先輩たちの偉業を目標に、特許取得に挑戦しようと昨年4月に出願。初めての挑戦では既存の特許にかぶる部分があるとして却下されたが、生徒たちは諦めることなく内容を精査し、昨年末に再度挑戦。2月18日に特許庁から、審査通過の知らせを受け取った。
 部長で3年の濱﨑紫萌さんは「一度却下されているので、通過はとてもうれしい。なぜ竹の添加割合が70%の時に収量やうま味成分アップなどの効果が最大になるのか、後輩たちには今後も研究を続けてもらえれば」と笑顔で話した。
 同部では、研究を通じ放置竹林問題の解消につなげたいと、事業化を検討する企業などには無償で特許技術を提供したいとしている。


〔関連広報 2024年12月7日 長崎新聞〕
 諫早農が文部科学大臣賞 放置竹林を地域農産物へ活用 農業系高校の甲子園

 「農業系高校の甲子園」と呼ばれる第75回日本学校農業クラブ全国大会のプロジェクト発表会で、長崎県立諫早農業高(諫早市立石町、前田達彦校長)の生物工学部が最優秀賞(文部科学大臣賞)に輝いた。テーマは「放置竹林を地域農産物へ活用~竹の資源化と地域農業活性の一石二鳥プロジェクト~」。報告会が3日、同校であった。


JA関係者に研究成果を発表する下川部長(中央)=諫早農業高
 全国大会は10月下旬に岩手県であり、生物工学部が参加したプロジェクト発表分野II類(国土保全・環境創造)には、全国の地区予選を勝ち上がった9校が出場。同部の12人は、放置された農地に侵入した竹を伐採し、竹パウダーに加工して農地に添加すると、バレイショに発生する「そうか病」の抑制に効果があることを発見。約3年間の実験を繰り返し、専門機関や大学とも連携して科学的にも効果を実証した。
 報告会では、部員たちがJA県中央会の真壁正二郎会長らに研究成果を発表。竹パウダーを県のバレイショ栽培に導入すると、約18億円の経費削減や、放置竹林面積約3300ヘクタールの削減につながるとの試算を示した。
 真壁会長は「そうか病を自然の仕組みで解決するという発想はなかった。素晴らしい着眼点だ」と称賛。部長でバイオ園芸科3年の下川恋々菜さん(18)は「竹パウダーの適切な添加量の確認など今後の課題はある。後輩たちが頑張ってグレードアップさせてくれたら」と語った。

3/2(日) 11:30配信 長崎新聞