832.Yahooニュース 2025年04月10日
   【京都市西京区】いよいよ新タケノコ登場!
    竹の里で軒下販売を続けて50年の名物お母ちゃんの思い聞いた

4/10(木) 11:31 




京都発・竹・流域環境ネット提供
善峯寺の参道にあたる大原野の山道を2025年4月8日に下っていると、かつての中村竹研さん、現在は「京都発・竹・流域環境ネット」の工房となっている竹の里を通ります。今年も名物お母ちゃんのたけのこ販売が始まっていました。

55年前に向日市から27歳で中村竹研さんに嫁いできた中村三津美さん(80歳)は、竹細工制作などの竹研の仕事とともに、その5年後から店頭で毎春かかさず、自身の竹林から掘り出してきたタケノコの販売を行ってきたのだそうです。

今では、大原野や長岡京市、向日市などであちこちに見られる軒下販売ですが、50年前に開店していたのは、三津美さんの店だけだったそうです。当時から善峯寺が西国三十三所の観音霊場巡礼の二十番札所となっていたため、京都駅から巡礼の際に、タクシーなどを利用して、中村竹研で京タケノコ、嵯峨の森嘉で豆腐、三条の三嶋亭で肉を購入して帰るのがVIPコースだったのだとか。

錦や祇園の一流料亭などとの取引があるため、大枝塚原産のタケノコがブランド化していますが、乙訓や大原野など、この周辺のタケノコ農家は、藁しき、土いれ、しんどめを1年かけて繰り返して、最後に土の中にある間に収穫するといった京の伝統技法を丁寧に守り続けているので、いずれの地域も良質のタケノコが収穫できるのだそうです。

例年は3月下旬から始めるのだそうですが、「今年は続いた寒さのせいで随分と遅うなって、ようやくや。まだまだ小さい、これからやわなあ」と三津美さん。「若い人たちがこうしていろいろ思いを継いでやってくれているのが何より嬉しいわなあ」と語って下さいました。

ちなみにお造りでも食べられるほど軟らかい「白子タケノコ」は、まだ土中にある、陽の光が当たらない間に地割れを見つけて掘り出すという匠の技が必要だといいます。赤ちゃんの肌のように白く、繊維質が細かく柔らかい、一流料亭などでも提供される極上品です。

この4月19日(土)と20日(日)には、「京都発・竹・流域環境ネット」と「株式会社ジェイアール東海ツアーズ」の共同で、「京都西山大原野 京たけのこ掘り体験ツアー」もこの地で開催されます。山賊焼きタケノコの試食やお土産もあるようですよ! 詳細はこちら(外部リンク)から。

「京都発・竹・流域環境ネット」(外部リンク)京都市西京区大原野小塩町73-1 090-5057-3780
HOTSUU 地域ニュースサイト 号外NETライター(京都市)