880.HugKum 2025年05月04日
【池上彰さんに聞く】「地震が起きたら竹林へ」は本当?
大人も知らない〝科学の常識〟を親子で考える
5/4(日) 21:30配信
「地震が来たら竹林に逃げろ」は本当?
小学生のころから科学が好きで、将来は気象庁に入りたかったというフリージャーナリストの池上彰さん。著書『文系の池上彰が教える 10歳からの科学の常識100』では、気になる現代の科学を7ジャンル(科学的考え方、気象、地学、物理、化学、生物、環境問題)に分けてクイズ形式で紹介しています。
今回は「地学」のクイズ! よく聞く地震に関する言い伝えは正しいのか? ぜひお子さんとチャレンジしてください。
科学の常識クイズ:「地震が来たら竹林に逃げろ」という言い伝え。竹林は安全なの?
■「竹林は安全」の言い伝えはどこから来たのか?
あなたのまわりの大人に聞いたら、子どものころにこのような言い伝えを聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
昔はそのように伝えられていましたが、今は「安全とは限らない」のです。
消防庁が発表している「防災に関わる『言い伝え』」の中でも、宮城県、千葉県、神奈川県、新潟県、静岡県、愛知県など多くの地城でいわれてきたと紹介されています。
この背景には、竹の地下茎はあみ目のように広く張り巡らされているため、地面をしっかり支えていて地震の揺れに強いと考えられたということがあります。自然を大切にし、自然とともに暮らしてきた先祖たちの知恵のたまものですね。
■外出先で地震が起きたら、どうすればいい?
京都は、美しい竹林で有名です。京都は活断層が多くある土地で、頻繁に起こる地震で地盤がゆるんでしまったことから、地盤を強化するために竹を植えたと伝えられています。
とはいえ、効果について実証されていません。
地震が来たら、その場所や状況に応じて身の安全を確保しましょう。室内なら、窓や棚から離れて、机の下に身をかくしましょう。外出時なら、ブロックや自動販売機、電柱などは倒れるおそれがあるので、離れましょう。海が近いところでは、津波の危険があるので、できるかぎり高いところに逃げることが大切です。
東日本大震災を教訓として、自治体による「津波避難ビル」も増えているので、海へ遊びに行くときや海が近い場所に家がある場合は、場所を確認しておきましょう。
※この記事は『文系の池上彰が教える 10歳からの科学の常識100』(小学館)の一部から引用・再構成しています。
『文系の池上彰が教える 10歳からの科学の常識100』
■著/池上彰 小学館 1980円(税込み)
「朝食を食べる子は学力が高い?」「南海トラフ地震は30年以内に起こる?」「地震雲は科学的根拠がある?」「コラーゲンを食べると肌がぷるぷるに?」──フリージャーナリストの池上彰さんが、国際情勢や日本社会を考えるうえで欠かせない現代科学の常識100項目をクイズ形式でピックアップ。
クイズに答えて池上さんによる解説を読めば、知識が深まるばかりでなく論理的思考も養えます。ギャグ漫画家・和田ラヂヲさんによる笑えるイラストも必見!
イラスト/和田ラヂヲ(書籍抜粋)
構成/国松薫、HugKum編集部
最終更新:5/4(日) 21:30 HugKum