884.NBC長崎放送 2025年05月09日
   
救世主は「国産メンマ」!? 放置竹林を減らす、食料自給率アップ、雇用創出、過疎化防止
      ... 様々な社会問題の解決をめざす取り組みスタート!【長崎】

5/9(金) 16:02配信 






NBC長崎放送
ラーメンのトッピングなどでおなじみ「メンマ」。国内に流通するメンマのほとんどが外国産です。そんな中、長崎の竹を使ったメンマづくりが始まりました。その背景に迫りました。

長崎の自然が育んだ素材を中心にこだわりの味付けで作られた「メンマ」。

「おいしい」

「今まで食べたメンマとはちょっと違う。味もしっかり。そのままで食べられる」

原料となる幼竹は、長崎の放置竹林にこの時期生えるものを使います。

竹次郎 代表取締役 古賀 貴大 さん「竹は10年過ぎると枯れて、どんどん倒れていくという感じになるので。こういう風に足の踏み場がないような感じで」

長崎市出身の古賀貴大さん。長崎や福岡で飲食店を経営してきましたが、コロナ禍で打撃を受けたのを機に、2021年、放置竹林を活用したメンマ事業を始めました。

繁殖力が強い竹は、手入れをしなければ放置竹林になりやすく、根を張るのが浅いことから土砂災害にもつながりやすくなります。

竹次郎 代表取締役 古賀さん「スタッフで話し合った時に、じゃあ、社会問題を解決できる商品を作ろう!と。 逆にその商品がないと問題が解決しないですよ、という取りくみを、日本一めざして頑張ろう!という目標を立てて、そこからスタートしました」

今回、長崎メンマ作りに一緒に取り組むのは、長崎市で煮干しの製造などを行う「タイレイ」です。

タイレイ 取締役 川端 京子 さん「40〜50年前まで、山から竹を取ってきて、竹でやぐらを組んで、その上に、せいろを置いて煮干しを干していた。今は竹がプラスチックに変わり、竹を大量に切らなくなってきたわけです」

竹が使われなくなった今、所有する竹林だけでなく、地域のあちこちに放置竹林が目立っています。

タイレイ 取締役 川端さん「民家に覆い被さってきたり、道路にはみ出てきたり、どうなるんだろう?と思っていました。そういった時に、メンマ作りがあるよ、って。まずは竹を切ること。それを捨てるんじゃなくて、活用すること」

メンマづくりには、2メートルほどの幼竹の穂先を切り落として使います。

竹次郎 代表取締役 古賀さん「魚に比べたら簡単なので」 タイレイの従業員「えー」

この日は、タイレイの従業員が、古賀さんの手ほどきを受けながら、一次加工にチャレンジしました。

皮を剥ぎ、筋のない柔らかい部分をカットして使います。

タイレイの従業員「難しい。でも面白そう」

「竹で炭を作るとかは聞いたことがあったんですけど、食べ物に加工するっていうのは初めてだったので。いいかなーと」

30分ほど茹でた後、塩漬けにします。その後は、古賀さんの会社「竹次郎」が買い取り、スライスや塩抜き、味付けをして完成させます。

長崎メンマの味付けは、長崎人にはおなじみ! チョーコー醤油の出汁醤油を使っています。

食べることで、放置竹林の問題解決が期待されます。

タイレイ 取締役 川端さん「あとは、仲間を増やす、一緒にしてくれる仲間を増やすということではないかと思います」

竹次郎 代表取締役 古賀さん「食料自給率を上げたり、ここで新しくメンマの産業ができることで雇用を生んで過疎化防止になったり、メンマ作りで色々な効果があるんじゃないかと思っております」

放置竹林の問題だけでなく、様々な社会問題解決にもつながるメンマづくりが始まっています。

長崎放送
最終更新:5/9(金) 16:02 NBC長崎放送