286.京都新聞 2022年1月1日 地方版
   
京都の竹工会社が巨大オブジェに込めた挑戦心 コロナ禍のピンチを好機に

2022年1月1日 11:40 

太陽の塔を背景に存在感を示す高野竹工の巨大オブジェクト
(大阪府吹田市・万博記念公園)
 京都府亀岡市宮前町の観光園「ききょうの里」で20日から始まったイルミネーションイベント「京都丹波 KAMEOKA夢ナリエ」に合わせ、府立南丹高(同市馬路町)の生徒が放置竹林の竹で灯籠を作った。新型コロナウイルス感染対策の意味を込めて消毒液も組み合わせており、生徒は「放置竹林問題に関心を持つきっかけにしたい」と話している。

 卒業課題研究で本梅町の放置竹林の活用に取り組むテクニカル工学系列の3年生6人。灯籠は2本あり、それぞれ表面に複数の穴が開けられ、人が近づくと、中にある発光ダイオード(LED)電飾がろうそくのような色から赤や緑、青など次々に変化して光る。灯籠の前に消毒液を置き、子どもも使えるよう灯籠によって高さを変えた。全体のデザインは城をイメージし、チケット売り場前に設置する。

設営作業は職人総出。
会場で竹を担いで運ぶ女性職人
(25日、吹田市・万博記念公園)

 生徒たちはどうすれば放置竹林問題に関心を持ってもらえるか考える中で「コロナ対策も組み合わせれば、より来場者の興味を引くことができるのでは」とアイデアが生まれた。約1カ月間、試作を繰り返して完成させた。同校の男子生徒(18)は「竹の良さを知ってもらい、身の回りの竹林に目を向けてほしい」と話している。

 イベントでは、地元の住民らが園内や竹林を飾り付けたイルミネーションや、子どもたちが描いたあんどんなどがあり、冬の夜を彩る。来月25日まで。午後5~9時。協力金700円が必要。

オブジェの骨格を慎重にくみ上げていく職人たち
(25日、吹田市・万博記念公園)